ヒーロー

  ガイは変人である。
  ナデシコにスカウトされただけあって彼は無能ではない。元デルフィリウム部隊の隊長であり指揮力もある。本来ならリョーコたちの上司として、バリバリ活躍すべき人物であった。
  しかし、熱狂的なゲキガン狂いが彼に悲劇をもたらした。彼はその熱狂ゆえに不幸をしょいまくり、ついに情けない最期をとげる。亜希にとってはある意味、運命のひと。彼の死がなければ歴史はガラリとその様相を変えていたに違いないのだ。
「そんなわけなの。なんとかなる?」
「難しい注文だなこりゃ。作るのは簡単だが、亜希ちゃんの身体じゃとても耐えられる代物じゃねえぞ。」
「…シミュレータ限定でも?」
「それでも、だ。」
  ウリバタケ・セイヤは難しい顔をして腕組みした。
「IFSや手動運転じゃ反応が間に合わねえって言うのはわかる。亜希ちゃんはまあ、こう言っちゃなんだがまるでリミッターでもかかってるみてぇに全然無理がきかねえんだからな。…でもよ」
「う〜ん…なんとかならならいかな?」
「確かにこれなら純粋に思考力だけで動かせるが…いいとこ30秒が限度だぜ?それも、終わったらしばらくは動けないと思ってくれ。ノイズ対策やその他の関係で当然エステにも使えねえ。ほんとにシミュレータ限定。そんなもんだな」
「…それでもいい。作って」
「どうしても、か?」
「どうしても。ガイの事もあるし後で入る追加の子たちのためにも。信用されない指揮官じゃ部隊が機能しないでしょ?」
「…そりゃわからんでもないが、おまえさんはあくまでアドバイザーだろうに。」
「…」
「…あぁもう…よしわかった!」
「やった♪さっすがウリバタケさん!」
「ばーか、おだてんじゃねえよ。それより影護のおっさんの方頼むぜ。俺ぁあいつにブッ殺されるのだきゃあごめんだ」
「うん、それはなんとかする。時間はどのくらいかかる?」
「部品は全部流用、インターフェイスは作業用のがあるからな。一時間とかからねえよ」
「うわ…すご。じゃ、その頃ガイ連れて来ていい?」
「ああ、いいとも」
  
  亜希が廊下に出ると、影護が待っていた。
「そなた…自分のやっている事がわかっておるのか?」
「戦うつもりはないわよ。どうせ無理だし。あらかじめ言っとくけど」
「…ふむ、では何故だ?内容次第では許さぬぞ」
「ガイを死なせないためよ」
「ガイ?…あぁ、あの骨折男か」
  亜希はその返事に苦笑した。
「あいつ、ゲキガン狂いはいいけど行きすぎなのよね。このままだと最悪、まもなく死んじゃうし」
「…なるほど、史実ではそうなのだな?」
「うん」
  ほうっとため息をつく亜希。影護は目を細める。
「…ならば我がやればよい事。要は根拠のない自身を砕き、強くなる道を示せばよいのだろう?あとは、その史実の原因となった行為をさせねばよい」
「それじゃ弱いの」
「ん?」
「…ガイの奴、私をナナコさん呼ばわりなのよ。医務室にお見舞いに行っただけなのに」
  ガイは当時、ほとんど忘れられた存在だった。まともに相手していたのは史実でもアキトだけだったといっていい。
  今回もその通りだった。ひとりぼっちのガイを見かねた亜希はお見舞いに行ったのだが、そのためガイのゲキガンフィーバーに油を注いでしまったのである。
「ほう?…あの者、本当に地球人か?白鳥と売りふたつの顔といいあのゲキガン狂いといい、到底他人とは思えぬが」
「あははは、そうよね本当。でまぁそれはともかく、だったらあいつを徹底的にへこませる方法って?」
「なるほど。ヒロインに叩き潰されれば…あのお天気頭にもおのれの立場がわかろうというものか」
「…」
「ん?どうした亜希?」
「…影護。あんた、ほんっとにナデシコ化してるよね?昔の部下が見たら卒倒するよたぶん」
「……それは心外な評価だ」
  憮然とした顔で、影護はぼやいた。
  
  
  
「な、ナナコさん!シミュレーションルームでデートだって!?」
「誰がデートか!人妻よ私!人聞きの悪い事言わないでよ!!」
「うんうんわかった。戦場に芽生える淡い禁断の想い。その純粋なる不純さに心うたれるヒーロー。う〜ん燃えるぜ!!」
「…(汗)」
  間違ってる。何かがもの凄く間違ってる。
「…ま、まぁいいわ、対戦しましょう、ガイ」
「へ?」
  ガイは一瞬、あっけにとられた顔をした。
「私がナナコさんであんたがヒーローなら、当然あんたが強いはずよね?だから対戦するの。勝ったらあんたはヒーロー、負けたら単なるいち隊員。どう?」
「…いや、それはいいんだが…機動戦は身体がもたないんじゃねえのか?大丈夫なのか?」
  こう見えてもガイはフェミニストなのだ。ここまで熱血漢でなければさぞかしモテた事だろう。
「ウリバタケさんに頼んで、私でも扱える操縦装置を作ってもらったわ。これがあれば、体感フィードバックをゼロにしたシミュレートに限るけど30秒くらいは戦えるってわけ。ま、終わったら今日いちにち何もできないらしいけど?」
「…な、ナナコさん。そこまで俺のことを!!」
  違うわぁっ!!と叫ぶ亜希。だがガイは全く聞いていないようだ。
「いっとくけどガイ。私強いわよ?肉体的なハンデさえなきゃね」
「…へ?」
「伊達に影護のパートナーなんかやってないって事。あんたの腕なら5秒で潰せるわ。…どう?」
「…」
  絶句した顔で亜希を見つめる、ガイ。
「…」
「…ふっ、面白ぇ。そいつぁ相手にとって不足なしだ。いいぜナナコさん!!30秒だな、受けて立つぜ!!」
「ふふ…そうこなくっちゃ。」
  
  
  
  シミュレータルームに着いた。
  ナデシコの遊戯場は単なる遊戯場ではない。そのいい例がシミュレータだ。中身はエステバリスのコックピットと全く同様であり、遊ぶ事がすなわち訓練なのだ。さらにオモイカネと接続もしており、実際の戦闘記録を元に新しいシナリオやシチュエーション、機体データも追加、組み替えができるようになっている。
「ウリバタケさん。組み込みできた?」
  そこにはいつもの作業着スタイルのウリバタケが、楽しそうにシミュレータをいじっていた。
「おう来たか。バッチリだぜこの通り!…だがわかってるだろうが」
「30秒でしょ?うんわかってる」
「バカ。それは限界値だ。そこまで戦ったら動けねえぞ?俺かヤマダ「ダイゴウジだ!」…まぁいい。どっちかにおんぶされてここを出る事になるだろ。覚悟しろよ?」
「…いい。どうせ影護がその辺に待機してるしルリちゃんもモニターしてるから」
「う…そ、そうか」
  どうやら、お姫様だっこを期待していたらしい。ウリバタケは残念そうな顔をしている。
「?」
  対する亜希はウリバタケの表情の意味がわからない。なんだろ、という顔をしている。
(…あいかわらずですねえ、亜希さんも)
(あははは。そうなんだ)
(ええ。ちっっっっとも変わりません)
(ルリちゃん。すっごく実感こもってるねそれ)
(ええ。そりゃもう)
「とにかく始めようぜ!…っておい、そりゃ何だ?」
  亜希のかぶろうとしているヘルメットを見て、ガイがといかける。
「これ?脳波制御ヘルメット。IFS非対応の古い作業機とかで使うでしょ?」
「いや、それはわかってる。わかってるんだが…っておいっ!」
  そうしている間にも「早くね〜」と亜希はシミュレータに乗り込んでしまった。
「…博士。」
「なんだ」
「やるに事かいて脳波ヘルメットはまずいぜ。そんなもんでエステなんて使ったら」
「ああその通りだ。脳波ヘルメットは高速機動用じゃねえ。戻りもひどい。間違いなく悪酔いしてブッ倒れるな」
「!それがわかっててどうして!」
「そうしなければよ、おまえが納得しないだろうってさ」
「!?」
  ガイの顔が驚愕に包まれた。
「おまえ、自分がゲキガンガーに乗るヒーローだって酔ってんだろ」
「…」
「だけど、技量だけなら亜希ちゃんだってもってる。けどあの娘は戦えねえ。影護の旦那もそれがわかってるから、戦わせようとしねえ。知ってるか?旦那、艦長が亜希ちゃんを機動戦のオブザーバーに指名した時、本気で艦長を殺しかけたらしいぜ?もう烈火のように激怒してよ。」
「!!」
  どうも、先日の噂にすごい尾ひれが付いているようだ。
「そこまでして守られてる亜希ちゃんが、おまえのために自ら対戦を買って出た。影護の旦那も説得した。なぜだと思う?」
「…そ、それは」
「おまえの行動があまりに危険すぎるからだ。ヒーロー遊びするのはかまわん。だがそれは自分が最強になってからやれってな。実際亜希ちゃんの言う事にゃ、おまえの腕は彼女にすら劣るってぇじゃねえか?」
「ん、んな事あるかよ!俺はヒーローだ!たとえ負けても勝つ!!」
  はぁ、とウリバタケは天を仰いだ。
「じゃ、それを今証明しな。正々堂々とな」
「…お、おう、わかった」
  よっしゃ、と亜希の隣のシミュレータに乗り込むガイを、ウリバタケはじっと見た。
「さて、サイは投げてやったぞ亜希ちゃん。お手並み拝見、といくか」
  そう言いつつ、しっかり救急セットを奥に取りに行くウリバタケだった。
  
  シミュレータを起動した瞬間、ガイはその異様な空気に気づいた。
「!?なんだ!?」
「…待ってたわよガイ。はじめていい?」
  どこからか響く声。亜希の声だ。
「ああいいとも。…で、この雰囲気はなんだ?こんな戦場のシチュエーションなんてあったか?」
「…ここは火星。私が自分の記憶にもとづいて、ルリちゃんに作ってもらった訓練フィールドよ。どう?火星の大地ははじめて?」
「あぁ…まあな」
  なるほど、彼女は火星出身だったか、とガイは内心つぶやく。
「重力が低くて大地は少し柔らかい。それ以外は地球の高山くらいだと思って。慣性はあまりつかない。ガイの得意な格闘戦には不利よね…でも、ここが私たちの行くべき場所。メインステージ」
「…なるほど。予行練習を兼ねてるってわけだ」
「うん、そう。…あんたには不利だけど、やる?」
「もちろんだとも!」
  うふふ、という声がした。
「とりあえず今回は、重力と大気濃度は地球と同じにしとくわ。でも雰囲気は味わえる。足をとられやすいけど、砂漠の戦闘だと思って。いい?」
「了解だ。いくぜ!」
「ええ」
  その一言がスタートの合図だった。
「うりゃああっ!!」
  相手が短期決戦で行くしかない、と承知しているガイは、おもむろに突撃をかけた。凄まじい早さで大地が流れる。
「ふうん。通信中に場所さぐってたのね。やるじゃん」
「短期決戦だからな!…いくぜ!」
  そのエステは、黒かった。
  ガイの操るピンクのエステはジグザクに走り、そして至近距離でダッシュをかけた。拳にフィールドの光が集まる。
「はぁぁぁぁっ!!」
  だがその瞬間、黒いエステはまるで影のようにガイの視界から消えた。
「なに!?…どわぁっ!!」
  いきなり背面から衝撃がきた。ガイはもんどりうって右にふっ飛ぶ。
「…得意技を叫ばないのは正解。だが攻め方が安直すぎる」
「な、なんのこれし…!?」
  動こうとしたが、左手がちぎれているのに気づき愕然とする。
「!な…」
「やはり慣れないインターフェイスはきついな…くっ!…ライフルだけのつもりが…腕ごともいでしまった…」
  黒いエステはフラついていた。あっちもすでに限界間近か、とガイは身をかがめた。
「…すまんナナコさん。悪いがここは勝たせてもらうぜ」
  ガイは気づいていた。亜希が完調なら既に瞬殺されていただろうことに。圧倒的な実力差にガイは冷汗をかいた。実戦なら死んでいた、という事なのだ。
(情けないが…俺はまだゲキガンガーになれてねえ。こんなかよわい女の子にさえ翻弄されちまうんだからな)
  左腕がない以上、こっちもバランスはおかしい。ライフルも壊されて使えない。
(ナイフか…よし)
  以前のガイなら、素手で特攻したろう。そういうキャラクターだこの男は。
  だが今は違う。きちんと使える最良の武器を冷静に選んだ。既にこの時点で、亜希の思惑は大成功と言えたろう。
「いくぜナナコさん!!とどめだ!!」
  そう言ってナイフをつきだした。……が、
「!?」
  その瞬間、またしても黒いエステは消えた。そして、
「バイバイ」
「!」
  次の瞬間、ガイのエステは粉々になってふっ飛んだ。
  

  
「くわあ、やられたやられた。なんだったんだ今のは。くぅーっ!」
  そんな叫びと共に、ガイのシミュレータがバコン!と音をたてて開いた。
「おーいナナコさん、無事かぁ?」
「…あ…け…」
「…博士。だめみてぇだ。頼む」
「よし」
  待機していたウリバタケが、緊急開閉装置を操作した。
「おーいナナコさ…うわ、大丈夫かよおい」
「…」
  そこにはヘルメットをしたまま、なかば失神状態の亜希がいた。
「ヤマダ、メット外せ」
「あいよ」
  名前を訂正しないガイにウリバタケは一瞬だけ不思議そうな顔をした…が、まぁいいかと思い直すと亜希を抱えてシミュレータから運び出す。
「…えらく軽いなオイ。ちゃんと食ってるのか亜希ちゃんよ?」
「…よ…」
「?なんだ?」
「ちゃんと食べてるんだと」
「…ヤマダ、おまえこの声わかるのか?」
「いや、聞こえてねえけど雰囲気でな。…で、ナナコさん大丈夫か?」
「なーに心配ねえ。今日いちにちはグロッキーだろうがちょいと休めば気分はよくなるはずだ。」
「そうか…よかったぜ」
  ふう、とため息をつくガイ。
「…博士、ところで仕事はいいのか?」
「あぁ?」
「どうせ影護の奴がくるんだろ?それまでは俺が見てる。これの改造で今朝から仕事放りだしてんだろ?もうすぐ大気圏突破なんだし、まずいじゃねえか」
「おう、それもそうだな…ヤマダ」
「なんだ?博士」
「…」
  ウリバタケは、ガイの顔をじっと見た。…そして、
「…まぁいい。影護の旦那、怒らせるなよ?」
「わかってるさ」
「ならいい」
  ポン、とガイの肩を叩くと、ウリバタケは去っていった。
「…」
「…」
「…」
「…」
「…気づいてるだろ、ナナコさん」
「…へぇ、そういうのわかるんだ。ガイ」
「へへ、まぁな。で、何が欲しい?」
「…オレンジ」
「あいよ」
  自販機でオレンジジュースを買うと、ガイは戻ってきた。
「起きられるか?」
「ちょっと待って…ん〜…はぁ。」
  ゆっくりと亜希は起き上がると、ソファーにもたれた。
「ほら」
「ん、ありがと」
  プシュ、とプルタブを開け、気持ちよさそうに亜希は飲みはじめた。
「…ナナコさん」
「ん?」
「…ごめんな。俺が悪かった」
「…」
  すまなそうな顔で、ガイはうなだれていた。
「わかっちゃいたんだよ。俺はヒーローじゃねえって事はな。けど」
「ん、わかる。男の意地っていうかなんというか、譲れないってやつだよね」
「おう!それそれ!!…けどな」
「?けど?」
  ガイはまた、うなだれた。
「ヒーローどころか、俺はピエロだった。あげくのはてにナナコさんまでが俺を正気づかせようとこんな無茶までして。俺ぁとんだ馬鹿野郎だ。影護の奴に顔向けできねえよ。」
「…そう」
  亜希は、自分の作戦が成功した事を知った。
「なぁ、ナナコさん」
「ん?なに?」
「あの最後の攻撃は何だ?いったい何やらかしたんだ?」
「ああ、あれ。ガイの拳の真似よ。ただし私は、エステの全フィールドを拳に集めたんだけどね」
「全部!?お、おいおい、やばいよそりゃ。もし攻撃されたら」
  それは、当たればミサイル一発で即死を意味する。それも粉砕で。
「当たらなきゃいいのよ別に。私はいつもそうしてきたもの」
「いつも?…火星でか?いや…それって」
  ガイは気づいた。
  ここまで身体の弱い人間が、エステをあそこまで振り回すなんて不可能のはずなのだ。なぜなら、それは訓練すらできないって事なんだから。
「…なぁ、ナナコさん」
「ん?」
「もしかして…あんた、昔はちゃんと戦える身体だったのか?」
(…それで、俺なんか足元にも及ばねえような地獄を潜ってきたのかあんた?)
「ん…さあね。それはな・い・しょ♪」
「…そっか」
  ガイはそれ以上、聞かなかった。立ち上がり、シミュレータの方を見た。
「…」
  シミュレータはまだ戦闘終了サインが出たままになっていた。
「…ナナコさん」
「ん?なに?」
「…俺ぁ強くなるぜ」
「…そう」
「戦って、戦って戦って、強くなる。力だけじゃねえ。戦術も磨く。射撃もだ。全てにおいて強くなってみせる」
「そ。…うん、たぶんガイならできるよ」
「そっか?」
「うん、できると思う」
「…そっか」
  ガイはゆっくりと背伸びをし、深呼吸をした。
「「よしやるぞ俺はぁっ!!」」
「(あ、あははは…どっちにしろ熱血は変わらないのね…(汗))」
  今にも夕陽に向かって叫びそうな雰囲気に、亜希は苦笑した。
  
  
  
「……はぁ」
「…なんだか青春ねえ。」
「亜希さんが男性なら、もろに友情ドラマですよね」
「…いいですけど皆さん、覗きはよくないと思いますが」
「え?だって私、ルリルリが見てるの横から見物してただけだよ?」
「私もそうですね。何かドラマでも見てるのかなって」
「あはははは」
「…皆さん、その、私はですね」
「はいはいルリルリ。亜希お姉さん取られて嫉妬するのはわかるけどぉ〜」
「あ、違うよミナトさん。ルリちゃんの姉は私です!」
「へぇ、ルリルリ、フタマタ?」
「な、ななななななに言ってるんですかミナトさんっ!!」
  
「…プロスペクター君」
「はい?なんでしょうフクベ提督?」
「…本艦は作戦行動中なんじゃないのかね?一応だが」
「はい、そうですね。一応」
「…うむ。一応、な」
「…」
「…」
「…」
「…プロスペクター君」
「はい?なんでしょう?」
「…お茶を一杯もらえぬかな?」
「ええ、わかりましたよ提督」
「うむ。すまないね」
  
  
  
  

(……バカ)
  

hachikun-p
平成15年11月11日